離婚調停の流れと申し立てる前に必ず知っておくべきこと

離婚相談

協議離婚が上手くいかなかった場合、次は離婚調停を申し立てることになります。離婚調停とは家庭裁判所の手続きのひとつで、調停委員の仲介を受けながら離婚条件などを話し合うものです。調停委員という中立な第三者が入ってくれるため冷静な話し合いができ、裁判になる前に円満解決が可能です。

しかし離婚調停はあまりなじみのない制度であり、流れや費用など、実際に使うには不安な面も多いかと思います。そんな便利だけど少し不安な離婚調停の流れと、申し立てる前に必ず知っておくべきことを詳しくご説明します。

離婚調停を申し立てる前に知っておくべきこと

離婚調停を申し立てる前に、基本的なルールを知っておきましょう。

管轄

まず、離婚調停は管轄裁判所で行われますが、管轄裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所となります。したがって、離婚調停を行う際には、夫婦が特定の家庭裁判所を管轄裁判所とする合意をして、その家庭裁判所において離婚調停の手続を進めることが可能です。しかし、夫婦間で管轄裁判所の合意ができなかった場合には、原則として、離婚調停を申し立てた方の当事者が、相手方の住所地の家庭裁判所に出向かなければならないこととなります。

必要書類・費用

離婚調停は管轄の裁判所に申立書を提出することでスタートします。申立書は裁判所の窓口で配布されており、インターネットでのダウンロードも可能です。

離婚調停の申し立てには、おおよそ以下の書類が必要となります。

  • 申立書 2通(裁判所用、相手方用)《追加で自分用として1通あると便利》
  • 事情説明書 1通
  • 子についての事情説明書(未成年の子がいる場合) 1通
  • 連絡先等の届出書 1通
  • 進行に関する照会回答書 1通
  • 夫婦の戸籍全部事項証明書(3ヶ月以内のもの) 1通
  • 年金分割のための情報通知書(1年以内のもの) 1通

以上の書類とあわせて、収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手が離婚調停申立の費用として必要です。

調停期日

離婚調停を申し立てると、調停期日が決まります。

調停期日とは実際に裁判所へ自ら足を運ぶ日のことで、土曜日、日曜日、祝日及び年末年始(12月29日~1月3日)を除く平日のみとなっています。

時間は裁判所によって異なりますが、東京家裁の場合は午前10時~12時、午後13時30分~15時30分です。

基本的には、上記の時間内で担当する裁判官・調停委員の決定、調停室の空き状況等を見て、調停期日が決定されますが、調停期日の希望を添付書類に付記すると配慮してもらえることもあります。相手方の出席できない日がわかっている場合には、その旨も事前に伝えておきましょう。

所要回数・期間

離婚調停の所要時間は1回約2~3時間で、半年から1年ほどの期間をかけて進む場合が多いです。ただ必要な回数や期間はケースによって大きく違い、早ければ1回の調停で成立するケースや、申し立てから2ヶ月以内で終わるケースもあります。逆に10回以上の調停が行われたり、1年以上かかったりすることもあります。

 

調停の流れ

あらかじめ調停の流れを知っておけばスムーズに手続きを進めることができます。

期日通知書(呼び出し状)による通知

まず調停の期日が決まったら、期日通知書が郵便で届きます。

裁判所の手続きでありながら、特別送達ではなく普通郵便で送られてくるので注意してください。期日通知書は、当事者双方に申立書提出から通常1~2週間程度で届きますが、時期によって、裁判所からの連絡が遅れる場合もあります。たとえば年末年始をはさむ場合などには、裁判所のお休みの都合で連絡が遅くなったりします。

調停期日までにすること

期日が決まったら、来るべきその日に向けての準備をしましょう。

当日は調停委員に離婚したい理由やこれまでの事情などを自分で説明しなくてはいけないため、自分の思い・これまでの具体的な出来事などを時系列で書き出しておくのがおすすめです。紙に書いておけば、当日緊張してしまったとしても必要なことをすべて伝えることができますし、調停委員から質問されたときに冷静に答えることもできます。

あわせて、当日の集合場所や持っていくものも確認しておきましょう。

遅刻せずに裁判所にたどり着けるよう道順を確認し、可能であれば受付場所である家事書記官室の階数も確認しておくと安心です。

当日の持ち物は、期日通知書(呼出状)・身分証明書・印鑑・離婚調停申立書の写し・メモ用紙・スケジュール帳を持っていきましょう。電卓や暇つぶしの本などもあると便利です。たいていの場合かなり待たされます。

離婚調停開始

当日、家庭裁判所に到着して受付をすませると、申し立て人と相手方は別の待合室に案内されます。調停では当事者同士が顔を合わせることは基本的にないので、安心してくださいね。

待合室で待機後、調停室に呼び出されます。調停は裁判官1名、調停委員2名(男女)とともに進行していきます。

調停委員は、原則として40~70歳の弁護士や医師などの専門家や、地域社会で幅広く活動してきた人などから選ばれます。必ず男女1名ずつとなるよう配慮されているので、女性的な問題も話しやすいです。

30分ほど、離婚までの経緯や質問などされる

離婚調停では、まず申立人が先に呼び出され、その後相手方が呼び出されます。それぞれ30分ずつほど、離婚までの経緯を話したり調停委員からいろいろ質問されたりします。

ここで大切なのが、単なるグチや悪口にならないよう気を付けるということです。調停委員は公平中立な立場ですが、それでも人間です。どうしてもどちらかに同情したり、どちらかを嫌いになったり、心情が傾くことがあります。

30分間、「こんなひどいことをされた」「あんな辛い目にあわされた」「あいつなんて憎くて憎くて!」のようなグチや悪口を聞かされ続けたら、誰だってうんざりしますよね。離婚の理由などを話すときは感情的になってしまいがちですが、できるだけ冷静に、事実を淡々と説明しましょう。

たとえば相手の不倫で離婚を希望する場合には、不倫の事実と離婚の意思と希望の条件を端的に調停委員に伝えるのです。決して「あの女許せないんです!」「あんな女にひっかかるなんて!」など、調停委員をグチに聞き役にしてはいけません。

2回目の話し合い

当事者双方の最初の話し合いが終わって相手方が待合室に戻ると、再度申立人が調停室に呼ばれます。相手の主張に対しての質問が30分ほどあり、これに対する回答や反論を行います。

申立人の2回目の話し合いが終われば、次はまた相手方が調停室に呼ばれ、同じように申立人の主張に対しての質問が30分ほどなされます。

このように、1回の調停期日では夫婦交互に30分間の話し合いが2回ずつもたれます。

第1回調停期日が終了

夫婦双方2回ずつの話し合いが終わったら、第1回目の期日は終了です。以上のような流れで第2回目、第3回目も行われます。

離婚調停の期日の回数は決まっておらず、1回で成立する場合もあります。裁判所に何回も足を運ぶのは面倒ですから、できるだけ少ない回数で済むよう、冷静に話すのがベストです。

 

調停が成立した場合、不成立だった場合

成立した場合

調停委員は夫婦との話し合いを通じて、双方の意思を確認し、同意に至れるよう離婚条件の提案などをしてくれます。

その結果、調停が無事成立した場合には、成立後に「調停調書」が作成されます。調停調書には同意した離婚条件などが記載されており、判決書と似た法的効力があります。相手が養育費・慰謝料の支払いを守らなかった場合、調停調書を根拠として強制執行手続きを行うことができるのです。

調停成立後、10日以内に離婚届を提出する必要があり、離婚届の提出によって晴れて離婚成立です。

不成立だった場合

調停もむなしく不成立となった場合には、審判、裁判に進むか、再度2人で話し合いをするか選択することになります。

調停不成立は裁判所が判断しますが、当事者が「もう無理」と判断して調停を取り下げることもできます。何回目の調停がダメなら不成立という決まりはありませんし、専門家でも判断が分かれるところですが、個人的には3回調停をしても同意に至りそうにない場合にはもう次のステップに進んだ方がよいと思います。もちろん個々の事情によって必要な調停回数は違いますが、あまりに長引く場合は負担が大きくなる前に、ほかの方法も検討してみてください。

 

まとめ

離婚調停は家庭裁判所の手続きのひとつで、中立な調停委員を介した話し合いで離婚を決します。調停委員は双方の話を聞き、ときにはさまざまな提案をしながら合意できるよう導いてくれます。

なお、離婚調停の現場には、弁護士を同席させることも可能です。そのためにはあらかじめ弁護士に委任をすることが必要となります。離婚調停に弁護士を同席させるメリットとしては、調停の現場において適時に適切なアドバイスをもらいながら手続を進行することができるという点や、調停成立の際の調停長所の内容を確認してもらうことによって、自分の意見が正確に反映されているのかを確認してもらえるといったものがあります。

調停は管轄の家庭裁判所で行われ、1回の期日で、30分ずつの話し合いが当事者双方2回ずつ行われます。調停が成立すると調停調書が作成され、離婚届を提出して離婚が成立します。

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