熟年離婚の財産分与で損したくない!|退職金獲得のポイント

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若年離婚と熟年離婚の財産分与には大きな違いがあり、注意が必要です。熟年離婚は貯蓄も高額で資産も多種多様になっているため複雑化しやすく、多額の退職金や年金の問題もあります。払いたくない夫と全面対決になることもありますが、きちんと正当な金額を受け取りたいものです。

熟年離婚の財産分与で損をしないために、気を付けるべきポイントを詳しく解説します。

 

熟年離婚の財産分与の特徴

 

熟年離婚の財産分与は高額になりやすい

若年離婚の場合はまだ結婚期間が短いため、夫婦で持っている資産は少ないことが多いです。そのため財産分与は単純でわかりやすく、もめごとにもなりにくいです。

しかし熟年離婚の場合は結婚期間が長いため、その分夫婦の資産も高額になりがちです。あまりの高額に目がくらみ、せっかく貯めた資産を妻に渡したくない夫が財産隠しをするケースも多くみられます。逆に妻はがっぽりもらえると思って、あらかじめ離婚対策をしていることも多いです。

財産分与が複雑化しやすい|持ち家など

若年離婚の場合は、現金や家財道具くらいしか資産がない場合も多いです。不動産などの大きな買い物もまだしていないことが多いため、貯金を2で割れば終わるような単純な財産分与がほとんどです。

しかし熟年夫婦の場合はそうはいきません。熟年夫婦は長い結婚生活の間に家や土地といった不動産や家族全員が乗れるような大きな車、保険や株式といった金融商品などたくさんの買い物をしています。不動産などの住宅ローン付きの持ち家がある場合、離婚後誰が住むのか、それとも売却するのか、ローンの名義変更をするのかなど現金の財産分与よりも複雑になります。

退職金や年金の分割が可能

年金や夫の退職金も、条件はありますが財産分与の対象です。

若い夫婦の場合、年金の分割をしても将来受け取れる年金額にはあまり差がでません。そのため分割手続きをとらない人も多くいます。また、若い人にとって退職金は遠い将来の話であり、そもそも財産分与すべき資産に含まれません。

しかし熟年離婚の夫婦にとっては、年金も退職金も目前にせまった重要事項です。年金は大切な老後資金ですし、定年退職をした場合、退職金額が1,000~2,000万円と高額になることもあります。「払いたくない」「取られたくない」と夫が感じて、財産分与で揉めやすくなります。

熟年離婚での退職金獲得のポイント

そもそも財産分与とは|夫の退職金は妻の権利か

財産分与とは、基本的に夫婦が婚姻中に積み立てた財産を離婚時に半分に折半することです。もう受け取った退職金は婚姻中の財産のひとつになるため、離婚前に退職金を得ている場合は預貯金となり、当然財産分与の対象となります。

将来の退職金は財産分与の対象となるか

では、将来の退職金はどうでしょうか。

まず結論からお話しすると、近い将来に支給が見込まれる場合のみ退職金も財産分与の対象になります。

退職金には給与の後払い的な性質があり、給与の一部とも考えられています。ただし支払われるのが退職時のため、会社の経営状況などによっては本当に支払われるかどうかや金額が変わる可能性があります。そのため、ほぼ確実に支払われる見込みが高い退職金に限り、財産分与に含めることができます。

退職の時期が10年以上後など相当先の場合は、退職金が支払われる見込みがほぼ確実とは言えず、財産分与の対象にはなりません。

また会社の規定上、支払われることになっていない場合も同様です。

公務員の場合は?

公務員などの安定した職業は、本人に仕事を続けていく意思さえあれば退職金もほぼ確実に試算できます。そのため公務員などの退職金は、退職金の時期が10年以上先であっても財産分与の対象に含めるのが一般的です。ただし、5~10年以上先の退職金については別居時または離婚時に退職した場合に受け取れる金額のみが財産分与の対象になります。

会社の倒産、または懲戒解雇された場合は?

離婚後に会社が倒産したり懲戒解雇されたりした場合、すでに退職金を見越した財産分与を行っていたとしても基本的に返金する必要はありません。離婚時に交わす離婚協議書において、「今後一切の請求はしない」とお互いに約束するからです。

ただ、財産分与について話し合っている間に倒産した場合などには、退職金を含めた財産分与は不可能でしょう。退職金はもう見込めませんし、ない袖はふれません。

退職金の財産分与の計算方法|夫・妻の取り分は?

退職金を財産分与に含めるときには、会社の退職規定を調べ、勤続年数と婚姻後の同居規定をもとに計算して財産分与の対象となる退職金額を算出します。財産分与は基本的には夫婦で折半なので、これを半分にしたものがそれぞれの取り分になります。

・退職金額×婚姻後の同居期間÷勤続年数=財産分与の対象となる退職金額

・財産分与の対象となる退職金額÷2=それぞれの財産分与の額

夫婦であっても夫婦関係の悪化によって別居していた期間は、財産分与の計算式には含めません。単身赴任や介護などの家庭の事情による別居は、同居として計算します。

実際に退職金額3,000万円、婚姻後の同居期間30年、勤続年数40年と仮定して、2パターン計算してみましょう。

妻が専業主婦の場合、退職金額3,000円×婚姻後の同居期間30年÷勤続年数40年で財産分与の対象となる退職金額は2,250万円となり、妻の取り分はこの半分の1,125万円になります。

夫婦共働きの場合に夫も妻も同じく退職金額3,000万円が見込めると仮定すると、財産分与の対象となる退職金額はそれぞれ2,250万円となり、夫婦の取り分はそれぞれ2,250万円ずつになります。

離婚協議書を作成する

離婚協議書とは、離婚時の約束事を記した書類のことです。親権や財産分与などについて、夫婦で約束したことを記載します。退職金についても離婚協議書に明記し、いくらをいつまでに支払うのかを書いておきましょう。

金額だけでなく、振込みなのか現金手渡しなのかといった支払い方法も記載が必要です。振込みの場合には手数料の負担をどちらが行うのかも書いておかないと、あとで揉める原因になります。

退職金を相手が支払わなかった場合

離婚協議書で約束したのに相手が退職金を支払わなかった場合、離婚協議書に強制執行認諾約款等をつけていれば強制執行・差し押さえが可能となります。

強制執行とは強制的に相手の財産から支払わせる方法のことで、相手の給与などを差し押さえ、そこから約束した金額を受け取ることができます。

 

熟年離婚と年金分割

また財産分与の対象は、退職金だけではありません。

将来受け取ることのできる年金(厚生年金及び共済年金に限定とします)も、財産分与の対象です。老後を安心して暮らすためにも、しっかりと準備を進めておきましょう。

年金分割とは

年金分割とは、婚姻していた期間の厚生年金の保険料納付記録を分割するものです。年金自体を分けるのではなく、将来の年金額を決める保険料の納付期間を夫婦で分けるという制度です。

意外と少ない金額しかもらえない

離婚時の年金分割で増える年金月額は平均約3万円が相場です。交渉に手間がかかるわりには意外と少ない金額しかもらえません。

年金分割も重要ですが、他の財産分与(持ち家・退職金)の方が重要度が高いです。そちらを優先して離婚協議を行いましょう。

 

揉めた場合は、調停・審判・裁判で決着させる

熟年離婚は揉めやすく、夫婦間での話し合いだけではスムーズに進まない場合があります。そのような場合は、どうすればいいのでしょうか。

離婚には3つの方法(段階)がある

離婚や財産分与は、夫婦の話し合いで行うのが基本的です。話し合いによる離婚を協議離婚といいます。

協議離婚が決裂した場合には、調停・審判・裁判の3つの方法で離婚することになります。

協議離婚が上手く行かなった場合、まず家庭裁判所に調停を申し立て、裁判所と調停委員を介した話し合いを行います。調停も決裂した場合は審判となり、裁判官の決定で離婚やその他の条件が決まります。

調停も審判もダメで揉めに揉めきった場合には、裁判所の判決による裁判離婚となります。

泥沼離婚ではなく円満離婚を目指す

裁判になってしまうと時間とお金もかかり、再出発も遅れます。裁判は精神的にもかなりの負担になるため、できれば話し合い(協議離婚)で離婚するのがベストです。一度は縁あって夫婦になったわけですから、お互い冷静に話し合うよう努力しましょう。

当事者だけでは感情的になってしまうので、専門家(離婚に強い弁護士)に一度相談することも重要です。専門家の知識と経験を借りれば、よい落としどころが見つかるかもしれません。

まとめ

若年離婚に比べ、熟年離婚では財産分与が高額・複雑になりやすいという特徴があります。退職金や年金の問題もあり、財産分与で揉めるケースも珍しくありません。もらえることがほぼ確実な退職金は財産分与の対象になるため、会社の規定を調べるなどしてしっかりと請求し、損をしないようにしましょう。

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